会社設立

現物出資で資本金を増やせます!お金がないときの裏ワザ⁈

資本金ってお金と言葉に入っているから

お金(現金)でしか資本金を増やせないと思っていませんか?

 

実は資本金というのはお金だけではなく、物を会社に提供することでも

増やすことができるのです。

 

会社設立相談を毎週のように僕は受けていますが

感覚として3ヶ月に1回くらいこの現物出資について聞かれます。

 

週1回×月4×3ヶ月=12人の会社設立相談のうち、1人ということは

8.3%!

 

と計算してみましたが、多いのか少ないのかわかりません笑

 

聞きたかったけどまあいいや、、、

という人もいるかなーと考えると約10%のニーズ(ムリヤリ)がありそうなので

 

 

資本金について増やそうかなーと考えている人!

会社設立でお金として出せる資本金が少ないけれど資本金を多くしたいと

考えている人!

 

 

参考にしてみてくださいね。

 

赤い車アウディ

現物出資ってなんだろう

出資(資本金を増やすこと)は大きく2つあります。

 

お金で資本金を増やす金銭出資と

お金以外で資本金を増やす現物出資です。

 

ほとんどはお金で資本金を増やす金銭出資が多いかなと。

 

というのもお金で資本金を増やす方が簡単ですし

そのお金を会社の事業に使いたいため資本金を増やすということが多いですしね。

 

 

簡単だから金銭出資が多いなか

現物出資も資本金を増やすひとつの考えにいれて欲しいのはなぜか

 

それはお金が足りないときでも資本金を増やすことができるからです。

 

あとで書きますが資本金をどうしても増やしたくて、でもお金が足りない。。。

 

そんなときの救世主?

 

現物出資なんです。

 

 

さて現物出資の現物とはどんなものがあるのでしょうか

 

パッと思いつくのは

「車」、「パソコン」、「複合機」、「机」、「椅子」など会社で仕事をする際に実際に使っているものですよね。

正解です。

それらも資本金とすることができます。

 

 

あと思いつきづらいのは、「ソフトウェア」というのもあります。

 

これは実際に相談を受けて現物出資の手続きをしました。

自分で飲食店向けのPOSレジを作成した人です。

 

そのPOSレジを売ることにあたり会社を設立しようとお考えでした。

また会社を設立するタイミングで借り入れも行いたいという要望でしたが

お金がなく借り入れ額に対する相応の資本金を作ることができない状態です。

 

そんなときそのPOSレジの開発費用をソフトウェアとし会社へ現物出資することを提案。

 

現金は300万円しかなかったですが、ソフトウェアの価値を500万円とし資本金800万円で設立

借り入れはなんと1,200万円できたのです!

 

現物出資をしなければ資本金300万円の会社。

資本金300万円ならば借り入れ1,000万円でもハードルが高いです。

 

それを現物出資で乗り越えることができました。

 

 

それ以外にどんなものが現物出資できるのでしょうか。

 

土地や建物の「不動産」、株などの「有価証券」、

ゴルフ・リゾートなどの「会員権」はわかりやすいですが

「借地権」、「特許権」、「商標権」などわかりづらいのも実は現物出資できます。

 

要は資産として価値を金額におきかえることができるものです。

 

この「金額に」ということが大切です。

 

なぜかというとその金額を資本金を増やす際に法務局に届け出ることとなり

会社を設立した後その金額を会社の会計に表さなければいけないからです。

 

会計に表すには具体的な金額が必要です。

金額があいまいでもいけません。

 

金額がもしあいまいなら、、、

 

資産の部 負債の部
現金 300 純資産の部
だいたい100 資本金 だいたい400
合計 だいたい400 合計 だいたい400

 

だいたいってなんやねん!

というなんだか面白い決算書となってしまいます。。。

 

金額が算定できるものならばうまく使えばお金では足りない資本金を

補うことができるため選択肢の幅が広がります。

 

現物出資をする際の注意点

現物出資をする金額の制限はありません。

極端な話、1,000万円現物出資として金銭での出資を0円、資本金1,000万円の会社を

設立することができます。

 

でも、現物出資の金額はトータルで500万円以下をオススメします。

 

というのもトータルで500万円超えると裁判所に検査役の申し立てを行う必要があり

社長がいう金額と実際の現物の評価が合っているか検査役の調査を受けなければならないのです。

 

これは非常に面倒なうえに時間とお金がかかります。

 

しかしトータル500万円以下であればそういった第三者のチェックがなく

自分で判断することができるのです。

 

なので現物出資を検討しているのなら500万円以下にしてくださいね。

 

 

またその金額は時価評価となります。

 

例えば車ですが中古車市場があるため

現物出資したい車の車種、色、走行距離などをもとに中古車販売サイトで検索し

検索できた車の価格の平均をとるのもいいでしょう。

 

資本金を増やすことによるメリット

さて資本金を増やすことでどのようなメリットが考えられるでしょうか。

 

資本金は内部向けというよりは外部の第三者向けにメリットが多いものです。

 

会社としてお金を使いたいだけなら資本金としないで

会社にお金を貸すということの方がてっとり早く、かつ楽です。

それではメリットを項目別に考えてみましょう。

 

借り入れ、銀行評価

まずは銀行関係です。

 

さきほど書いた通り、借り入れの際現物出資の金額も資本金として見てくれるので

借りやすくなります。

 

ただ現金で資本金を作るよりは自由にできる資産ではないので評価は若干下がります。

 

また資本金要件がある借り入れの制度によっては現金での出資しかその要件判定に

認めないといった場合もあるので注意しましょう。

 

ちなみに借り入れを考えている時の資本金はどのくらいがいいかは

以前記事を書いているのでそちらを参考にしてくださいね。

これで安心! 資本金っていくらが良いの?

 

 

一方、銀行の格付け評価には注意点が特になく有効です。

 

格付けの評価は決算書の数値である定量での判定がメインとなります。

(定性的な評価である会社の技術力、社長の熱意、業界の流れ、取引先の状況などよりも)

 

現金での出資であっても、現物での出資であっても同じ資本金の増加にあたるので

格付け評価もよくなるのです。

 

許認可

資本金要件として重要なのは許認可です。

代表的なのは「労働者派遣事業」、「建設業(特定)」です。

 

最近派遣事業の中の届出制である特定派遣がなくなり許可制の一般派遣に統一されました。

 

その許可に必要な要件のハードルが高く、派遣業を行いにくくなりました。

その必要な要件の中でとりづらくなった1番の理由は財産要件です。

 

基準資産額(資産ー負債)が2,000万円以上というのがあります。

 

基準資産額は厳密いうと資本金とは違いますが、近いものがありますので

この現物出資によりその基準資産額を増やすことができます。

 

企業としての信用力

資本金が多い会社の方が資本金が少ない会社よりも一般的に信用力があります。

というのも資本金が多い方が財政基盤が安定しているのかな、と思われやすいです。

(実際の決算書を見なければ詳細はわからないですけどね)

 

決算書は上場などをしていないと対外的にはわからないですが

資本金は謄本を取得すれば観ることができます。(謄本は誰でも取得できます)

 

なので、HPに会社概要として記載しているところも多いです。

 

たとえば大手企業と取引するにあたり、一定以上の資本金がなければ取引できないという

こともあります。

 

またその会社に入社をしようとする人がその会社のHPにある会社概要を見て

資本金が少なければ資本金が多い方に就職を決めてしまうかもしれません。

 

外からだと会社の状況が見えにくいので第三者でも見ることができる資本金でしか

財務的には判断することができないケースも多いです。

 

資本金を増やすことによるデメリット

一方、資本金を増やすことが絶対良いか

といわれる絶対とは言い切れません。。。

 

やはりデメリットもあるのです。

 

税金があがってしまう

資本金が多いと大きな会社であるとされ税金の優遇が受けられなくなるケースもあります。

 

たとえば資本金が1,000万円超え(1億円以下)、東京都の均等割が増えてしまいます。

金額でいうと、7万円が18万円へと増えるのです(従業員50人以下)。

 

また資本金が1億円を超えると中小企業ではなくなるので

利益に対して払う税金があがってしまいますし

外形標準課税という会社の人件費や家賃などの規模によってかかる税金もかかってしまいます。。。

 

消費税

会社を設立した2年間は基本的には消費税を計算しなくても良いという期間になります。

 

しかし資本金1,000万円以上で会社を作ってしまうと

最初からある程度の会社であるという判断がされ2年間の消費税を計算しなくても良い期間が

なくなり、いきなり最初から消費税を計算しなければならなくなるのです。。。

 

ちなみに消費税については結構判定が難しいので以前まとめてみました。

一度読んでいただくとわかりやすいかも。

会社設立のときにももう迷わない。決算月を決める3つのヒント!

 

登記費用

資本金を増やすには登記内容を変更しなければなりません。

 

登記内容を変更するということは登記の費用(登録免許税など)がかかってしまいます。

 

資本金を増やす際にかかる税金としては増加した資本金の7/1000がかかります。

 

たとえば1,000万円資本金を増やすとしたら7万円もかかるのです。

それ以外に登記のプロである司法書士にお願いするとその報酬もかさみます。

 

まとめ

基本的には資本金を増やすことは「みえ」の部分が多いので

あまり積極的にはオススメしていません。

 

でもメリットもあります。

 

デメリットもしっかり確認しつつメリットが上回るならば資本金を増やしてもいいかと。

 

その際、資本金を増やす方法には現金だけではなく、物でも増やすことができるので

頭の片隅にでも置いておいてくださいね。

 

【編集後記】

昨日はあるブログセミナーに参加して来ました!

春まで仕事とプライベートの両方落ち着かないこととなるので

そのモチベーションアップです。

やはりモチベーションアップは自分だけではなく外の力を利用するといいですね。

 

一人でも僕のブログを読んで役に立った、参考になったといってくれるかぎり

ブログを続けようかなと。

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