事業が安定をしてきて売上、利益が十分でるようになったときに悩むことのひとつとして税金があります。
税金をできる限り払いたくない! 節税策はなにかないのか!!
ということにやっきになったりします。
合法的におこなう節税は納税者の権利であるのでやれるものはすべてやりきることは経営者として必要なことのひとつです。
そんな節税対策のひとつにこんかいご紹介する「経営セーフティ共済」があります。
節税対策ってなにかない?と聞かれた際にはこれ!と真っ先にいう節税対策のひとつである「経営セーフティ共済」
有名ではあるのですがつかっていない会社もあるのでまとめてみます。
目次
1年間で最大480万円まで
この経営セーフティ共済というものは倒産防止共済ともいわれます。
もともとは節税対策でつくられたものではなく、あなたの取引先がきゅうに倒産した場合、売掛金などが回収できなくなり連鎖倒産だったり経営不振になってしまうことを防ぐため、掛け金の最高10倍を低金利で貸してくれる、という制度なんです。
掛け金はお金を出したときにすべて経費になるため、この制度は節税対策として有名になりました。
この制度をうんえいしているのは中小企業基盤整備機構という独立行政法人がおこなっており、民間ではなく国です。急に倒産するという可能性はすくなく、そういった意味では通常の保険会社よりも安心です。
さてこの経営セーフティ共済はいくら経費になるのでしょうか。
掛け金は月額20万円まで可能です。
月額20万円×12ヶ月=年間240万円の経費になりますので、税金としては240万円×30%(法人税率)=約72万円安くなります。(個人事業主でも加入ができます!その場合、税率は所得によって変わってきます)
これだけでもやる価値はあります。
しかしこれだけではありません。
これに前納という手続きを組み合わせることによって240万円経費をプラスすることができるのです。
前納とは掛け金を一括で払うこと。
経営セーフティ共済は前納という手続きをすることにより1年分掛け金をまとめて払うことができます。
毎月20万円ずつ掛け金を払っていき決算期まで払う+決算期末に翌1年分をまとめて払うことにより240万円+240万円=480万円の経費を作ることができるのです。
税金でいうと480万円×30%(法人税率)=144万円も安くなります。
注意点
そんな大きな節税策のひとつである経営セーフティ共済。
良いことばかりかもしれませんが利用するときには注意点がありますのでおさえておきましょう。
40ヶ月以上積み立てしないと全額戻ってこない可能性がある
経営セーフティ共済はある意味保険です。
緊急事態だ!掛けていた金額を解約して手元にお金を戻したい!ということもあります。
そのさい、民間の保険会社と同じく解約できるのですが40ヶ月以上積み立てないと掛けたお金が全額戻ってこないのです。
たとえば掛けた月が1年未満だと1円も戻ってきません。。。
3年ならば95%戻ってきます。でも5%掛け捨てになってしまいます。
お金を掛けていたあなたがやーめた!というと全額戻ってくるには時間がかかるので注意しましょう。
ただし会社を解散したり、事業を全部譲渡したときなど続けられないやむを得ない事情があれば「みなし解約」ということで40ヶ月ではなく3年積み立てれば全額戻ってきます。
なぜお金を戻したい、経営セーフティを解約したいのか、という理由次第で変わってくるのです。
会社を経営していると利益がでているときは月額20万円の掛け金を払うことは問題ないかもしれませんが、会社には波があります。
そのため月額20万円もどうしても払えない、ということもあるかと。
40ヶ月以上積み立てていなく戻ってくる掛け金が減額されてしまう、そんなときは解約するのではなく掛け金を5,000円まで下げることができるので最低額まで下げましょう。
掛け金は月額5,000円から20万円まで自由に選べるので経営状況にあわせて判断できることは覚えておいてください。
掛け金が戻ってくるときは利益になる
これも保険でよくあることです。
掛け金を払っている金額は全額経費になります。
しかし逆に解約して掛け金を手元に戻すときには全額利益となってしまうのです。税金を繰り越しているだけになります。
その対策としては利益が出ていないときに解約することをオススメします。
とくに赤字のときに解約してその赤字と相殺すると利益が少なくなるので税金も少なくてすみます。
本業で赤字のタイミングで解約しても良いですし、社長、役員などが退職してその退職金で大幅に経費がでたときに解約してぶつけることも手です。
事業をはじめて2年目からでなければできない
経営セーフティ共済は創業1年目の方には使えない制度なんです。。。
事業をおこしたばかりでいきなり利益がありすぎてどーしよう。。という人は少ないですが節税策の需要はあります。
1年目の人でも使えるようにはしてもらいたいところです。
でも設立1年目の会社でも使える可能性があります。
それは個人事業主も通算して1年以上やっている場合です。
個人事業主から会社を設立する、いわゆる法人成りの会社であればこの制度は使えます。
法人成りの会社は個人事業主時代の売上、利益が引き継がれるので設立1年目から十分な利益が出る人も多いこともありこの点は良い制度でしょう。
大きな会社は使えない
この制度は中小企業基盤整備機構がやっているため中小企業しか使えません。
なので業種にもよりますが小売業なら従業員50人以下、サービス業なら従業員100人以下などといった制限があるので注意が必要となります。
この制限は加入時の制限のため加入時には加入条件は満たしていたけれどその後制限の人数を超えてしまったという場合でも強制的に解約!ということはないのでご安心を。
会社がすぐ大きくなりそう、すぐに大きくなってしまう!というならば利益が出ていなくても最小限の掛け金で加入だけはしておきましょう。
前納にはべつに手続きが必要
月額にプラスしてさらに前納でどーんと経費にしたいときの注意点です。
前納は掛け金を払うあなたから申し込まなければずっと毎月掛け金を払い続けるだけ。
前納をしたい!という意思表示が大切です。
前納の手続き自体は2ヶ月前から可能になります。決算が2月ならば12月には手続きを進めたいもの。
なので十分余裕もって手続きをしましょう。遅れると取り返しはつきません。
積立限度額は800万円まで
この制度は永遠に積み立てることができるわけではありません。
積立限度額は800万円になります。
意外にすくないですよね。。。
いっきに480万円を掛けてしまうとすぐに限度額に届いてしまいます。
ただしこの限度額は一度解約してお金を手元に戻せばまた復活します。
800万円節税策を使ってしまえばもうずっと使えないということではないのです。
お金があるときには使って、なければ戻して、また使う。柔軟につかっていきたいですね。
税金の申告には明細書が必要
この制度を使ったときは、使いましたよ!という意思表示を税金の申告の際にする必要があります。
といってもそんなに大変なものではなく1枚プラスして明細を作るだけです。
それもいくら、どこにお金を払いましたよーというもの。
簡単な明細ですが忘れると大変。お金を払ったのに経費にならないということになってしまいます。。
うっかりミスも許されません。絶対忘れないようにしてくださいね!
節税策には限度がある
なにか節税策ってない?ときかれればまずは今回紹介した経営セーフティ共済を提案します。
しかしそれを使っても利益がありまだまだ節税策を求めてくる人もいます。
税理士なら節税策をいくらでも知っているでしょ? 利益なんてすべてなくせるんでしょ? と思っている人も。。
でも節税策って限度があるんです。
節税策が無限にあって利益をすべてなくせてしまうと税金を払う人がいなくなり日本が回らなくなってしまいます。
新しい節税策が出て広まれば国は税金をとるためにその節税策を法律でつぶしてしまうということはよくあります。
いたちごっこなんです。
でもいろいろな会社をみると節税策を十分行なっていなくまだまだ節税をできる会社も多くあります。
考えられる節税策をやりきったあとは素直に税金を払いましょう。会社の税率は約30%。税金を払っても手元に現金は70%残ります。
まっとうに税金を払っている会社の方が成長しています。
利益をゼロにしようとすると限度がありそれを超える無茶なことを考えてしまうと架空経費、売上の計上をあえて漏らすなど犯罪に手をそめてしまう誘惑に負けてしまいます。
一度そういったことを覚えてしまうと止まらなくなり、税務調査で二度と再起できないほどめちゃくちゃにやられることがあります。
税金を払う辛さはありつつそれよりもどうやって売上をあげるか、利益をあげるか、より良い組織にするためにはどうすれば良いかに頭を使うようにしましょう。
【編集後記】
子供のころからアトピーをわずらっており、肌が弱いです。
そんななか、じつは6月からデュピルマブ(商品名デュピクセント皮下注300mgシリンジ)という日本で4月から販売許可がでた新薬をつかいはじめています。
これは注射で2週間に1回うつものになります。
これをうってから調子が良いです。やはり新薬は効果があります。
でも保険適用しても1回25,000円くらいかかります、、、経済的にはダメージですがその分仕事などに集中できるため、仕事で倍返し!です。
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