会社設立

会社の目的を見直していますか?実は借り入れに絡むこともあり意外に重要なんですよ

先日借り入れの相談をお客様から受けていた時のことです。

 

新しい事業を行うためにお金が足りないからお金を借りたいというご相談。

前向きなことには全力で応援したいです。

 

いろいろと事業計画等を一緒に練っていましたが、

ここで問題が発生!

 

実はその新しい事業がいままでの事業と関連性がないため、

会社の目的に入っていなかったのです。。。

 

というのも、、、

会社の目的に入っていないと借り入れを受けることができません。

最初に決めてそれからあまり見直すことがない会社の目的ですが、

意外に重要なんです。

 

会社の目的

会社の目的に入れた方がいいとき

お金を借りる事業が目的に入っていなければお金を借りることはできません。

 

というものも目的に入っていないとその事業に使うかわからず、

会社としてもその事業を行うと意思表示していないからです。

 

またそれに関連するリスクとして

会社の目的に入っていない事業の損益を会社の損益に入れていると

それは会社の事業ではないと税務署からその損益を会社に入れることが

認められなくなる可能性があるのです。

 

銀行として税務署から認めれず会社の損益に入れられなければ、

その新しい事業からの利益により借り入れを返済してもらおうとしていたのに

返済ができなくなってしまいます。。。

(その損益は会社ではなく、個人であるといわれ個人的に返済とはなりますが。。。)

 

会社としても新しい事業の損益が会社の損益に入れることができないと

税金の面で損をする可能性があります。

 

新しい事業というのは最初の1、2年は利益が出ず、赤字のことが多いです。

通常はその新しい事業の赤字を他に会社で行なっている事業の黒字と相殺することで

支払う税金の金額を減らすことができます。

 

しかしその新しい事業が会社の事業と認められなければ

その事業の赤字が個人として赤字であるといわれ黒字と相殺できません。

 

しかもその事業の赤字は個人として経費になって繰り越すことができるから

いーじゃん!

と考えるかもしれませんが、

 

赤字の繰越は青色事業者でしか認められず、

税務署からダメといわれたときは青色事業者でないので赤字の繰越は認められません。。。

(青色事業者になるには届出があり、その届出には期限があります)

 

会社の目的に関連するのは借り入れだけではありません。

 

たとえば許可を取る必要がある場合、その許可に沿った会社の目的が

謄本に記載されている必要があります。

 

代表例は建設業です。

建設業の業種は29種類あります。

建設業許可を取る際、その取ろうとする29種類の業種に沿った会社の目的でなければ許可申請が通らない可能性があります。

いろいろな業種を含んでいる建築業、建設業、土木建築業だと許可申請する窓口によっては断られるケースも。

 

確実なのはその取る予定の業種を記載しておくと安全です。

(例 電気工事業等)

 

それ以外には人材派遣業、運送業などといった許可申請等を行うものは会社の目的を忘れないようにしなければなりません。

また助成金や補助金を得ようとするときもそれに対応する会社の目的が謄本に記載されていない場合はダメになります。

といっても多すぎてもダメ

よし!

会社の目的は網羅した方がいいんだね!

じゃあ会社の目的をあれもこれも入れておこう!!

 

と会社の目的が重要だからといっていっぱいいれようと思わないでください。

目的が多すぎる会社だと何をしたい会社かわかりづらくなります。

社長は大丈夫かもしれませんが、第三者から見るとなんだこの会社は、、、、と。

 

特に借り入れを検討しているとき銀行から見ると怪しい会社に見えてしまいます

銀行からの借り入れの審査において印象はとても大切です。

 

一度怪しいと思われたらいろいろなものが怪しく見えてきます。

売上は正しいのか、ごまかしているのでないか。

取引先はちゃんとしていているか、架空ではないのか。

お金を貸したらなら本当に銀行にいってきている使い道でお金を使ってくれるのか。

お金をちゃんと返してくれるのか。。。

 

などなど芋づる式です。

怪しい印象を与えないよう説明がつく目的のみをいれておくことにしましょう。

 

会社の目的をちゃんと漏れなくいれなきゃいけないし、

でもいれすぎてはいけないし、、、

なんか細かくて難しいな、、、

 

と考えていませんか?

 

実は裏技があります!

それは会社の目的の最後の項目に

「前各号に附帯関連する 一切の事業(or 業務)」といれておけばいいのです。

この文言を追加することによって関係する事業を行うことができます。

なのでできるだけ細かく会社の目的を設定するのでなく

ある程度おおざっぱに設定することをオススメします。

会社の目的に入れない方がいいもの

実は銀行で預金口座を作成したり、借り入れを行おうとするとき

会社の目的にできれば入れない方がいいものがあります。

 

それは「風俗営業に関わるもの(キャバクラ、スナック、クラブ等)」です。

(場合によって、「金融投資業系」に関わるもの)

 

「借り入れにおいてその目的が入っていると貸しにくいということに加え、

銀行によっては銀行口座も開設しにくくなります。

 

その事業を行う人はまともな方が多いかと思いますが

暴力団関係者もその中に混じっていることも多いです。

そうすると残念ながら夜のお仕事は印象が良くないです。

 

また上野周辺のとある赤い銀行へ口座を作ろうとしたら断られた、という人がいました。

要因は「飲食業が会社の目的に入っていたからです。」とのこと。

飲食業も倒産しやすい事業なので口座を開設しにくいんですよね。

 

【編集後記】

とりあえず寒すぎます。

現在はコートではなく、ダウンジャケットをきて会社に行っています。

春が待ち遠しいです!

(でも花粉症なので春は春でつらそうですが。。。。)

 

 

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