経理

キックバックは悪魔のささやき。安易に選択すると大変なことになりますよ!

先日建設業の方と決算打ち合わせを行いました。

業績も順調で役員の給与もあげようというお話に。

給与が月50万円あり、夫婦で二人暮らし。

そこまで派手ではない生活なのに、生活が苦しいとのこと。

 

なぜかなーとよくよく聞いてみると、、、

 

そのときにもやっぱり出てきました。

 

キックバック!

 

キックとつくけれど、、、

もちろん格闘技やサッカー用語ではなくお金のやりとりの一種です。

業界的にはあるあるですが、実は経理処理としては簡単にはいかないんです。

安易にキックバックにはしるのではなく、

ちゃんとメリットデメリットを分かった上で行うかどうかを判断しましょう。

 

紹介料

キックバックとは?

そもそもキックバックとはなんでしょうか。

 

キックバックとは簡単にいうと紹介料になります。

建設業であれば工事を紹介してあげるからその売上の一部をくれ、というものです。

 

不動産業界でも紹介料はよくあります。

例えば不動産を売り買いしたい人を紹介する紹介料、仲介手数料です。
(会社によっては広告料ともいいますね)

これらはちゃんと契約書があったり、請求書があったり、

各会社で支払金額の基準を明確に決めていたりと問題にならないことが多いです。

 

ここでいうキックバックが問題になるのはその紹介料を所属している会社に内緒で

担当者が私腹をこやすために自分の裁量で行うからです。

もちろんその紹介者が所属している会社としては会社の資源を使って

その紹介者が私腹をこやしているため横領行為とも言えます。

それを防ぐために社内体制を整えることも必要です。

 

でもここで問題にあげたいのはその紹介者からの仕事を受け紹介料を支払う下請け側です。

元請けのいつも仕事を回してくれるあの人。

あの人に紹介料を支払わなければ今後仕事を回してもらえなくなる。。。

 

というときにそのお金をどーするかです。

 

税金はシーソーゲーム

さてさて元請けの担当者から紹介料を要求されてしまいました。

どーしましょう

支払わなきゃ仕事もらえないしな。。。

と思ったあなたはやむをえず紹介料を支払うことに。

 

ちょっとまってください。

その紹介料ってお金ですよね?

そのお金ってどこから持ってきますか?

お金は沸いてでてくるものでもないですもんね。

 

ふつうお金の出どころは会社の口座だと思います。

会社の仕事上支払うお金=会社の口座

という図式ですね。

 

でも会社のお金を勝手に引き出してはいけません。

社長は会社の財布も個人の財布も一緒かと思いますが混同してはいけないのです。

会社のお金を引き出すには給料か仕入れや外注費、経費精算でなければなりません。

 

ではこのキックバックの場合はどうでしょうか。

紹介者に紹介料を渡す際に領収書がもらえれば経費で落とせますが、

領収書を書いてくれないので、経費で落とすことができないのです。。。

 

なぜ領収書を書いてくれないのでしょうか。

 

それはその紹介料をその紹介者の売上と紹介者がしたくないからです。

売上としてしまうと税金がかかってしまい手取りが減ってしまいます。

また確定申告をしなければならないくらいの売上だと確定申告をすることによって所属している

会社に紹介料のことを知られてしまうかもしれません。

それにより売上の記録となる領収書を書きたくないのです。

 

税金はシーソーゲームに似ています。

こちらは経費にすればあっちは収入となります。

相手の収入とすると相手の迷惑になるというのならば、こちらは経費にできないのです。

 

経費にできないのならばどうすればよいでしょうか。

勝手に会社の口座からお金を引き出すことはできません。

 

そうすると冒頭の決算打ち合わせの社長のように自分の給料を多くし、

その多くなった分で紹介料を支払わなければならないのです。

給料としてではなく、経費でもなく、勝手に会社の口座から引き出してしまうと

社長への貸付金となってしまいます。

社長への貸付金は銀行評価が下がるので絶対にやめましょう!

詳しくは、、、

元銀行員税理士が語る決算書はまずここをチェックして!

 

給与とすると実はこれだけ負担が増える!

キックバックを経費精算ではなく給料とすると余計な負担がいろいろと増えます。

例えばキックバックの為に月50万円の給料を増やすことします。

そうすると、年間ベースでみると

所得税が約21万円→約131万円(+110万円)

住民税が約31万円→約84万円(+53万円)

社会保険料が約70万円→約154万円(+84万円)

(簡易計算として、年収500万円→年収1,100万円、扶養ぜろ、基礎控除以外の控除なし。
社会保険料は年収に約14%の個人負担分のみ計上。)

年収が増えたのは見た目だけで、税金やら社会保険やらの負担が大幅に増えることにより

生活費がなくなってしまいます。

場合によっては児童手当もなくなったり、保育園の費用もあがったりします。。。

 

まさに踏んだり蹴ったりで負担が増えていきます。

 

なので安易に給料をあげてキックバックを支払うとは思わないでほしいです。

 

理想系としてはキックバックなしであなたにしか仕事を任せられないという地位を築き、

たまに仕事でお世話になっているからこっち持ちで飲み会を開催したり、

暑中見舞いやお歳暮を贈って感謝の気持ちを表すだけという関係でいたいところですね。

もちろん、飲み会の費用や贈り物は相手に負担をかけることなく、

ちゃんとあなたの会社の経費になりますよ。

 

【編集後記】

ようやくジムに行くことができました!

でも筋肉の衰えを感じました。。。

男子三日会わざれば刮目して見よ。

筋トレも歯磨きや着替えのように習慣として体に意識づけさせておきたいです。

 

 

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