目次
税額が安くなる制度って使いこなせていますか?
金利も低く、借入もしやすい中、老朽化した設備の更新や新規の設備投資を考えている方も
多いかと思います。
国は経済を回すため、設備投資を積極的に推進しています。
国が積極的に推し進めるものの中には税金を安くするから是非流れに乗ってくださいね、というものが
あります。(今回ご紹介するもの以外にも「人」にかかわるもの等)
みなさん、設備投資をした際、ちゃんと税金が安くなる制度を使っていますか?
この制度は案外知られていないのか、他の税理士が関与していたお客様の引継ぎの際、過去のお客様の
申告書を見ても、ほとんど使われていません。。。
もったいないことです。。。
では、そんな制度ってどんな制度なんでしょうか。
それは「商業・サービス業・農林水産業活性化税制」といいます。
難しそうな名前ですが、実はとっても簡単に使えるんです。
少しずつ見ていきましょう!
制度を使える人は?
対象事業を営んでいる青色事業の中小事業者等で、アドバイス機関からアドバイスを受けて、経営改善設備を取得した人が適用できます。
青色申告をしている中小事業者等の方は多いかと思いますので、対象事業、アドバイス機関、経営改善設備の
要件を満たせば、適用できるので、使いやすいかと思います。
(中小企業者等とは、資本金額1億円以下の法人、従業員1,000人以下の個人事業主などです。)
どのくらい税金が安くなるの?
細かい要件を見る前に、みなさんが気になる「どのくらい税金が安くなるか」を書きたいと思います。
1、設備の取得価額の30%特別償却
2、設備の取得価額の7%税額控除
のどちらかを選択適用ができます!(なお税額控除は資本金が3,000万円以下の中小企業等又は個人事業主限定です)
うわー、ありがち、、、って思わないでください。。ありがちでも効果は高いんですから。。。
例えば、法人が1,000万円の設備を導入した場合、
1だと、1,000万円×30%=300万円の経費を初年度に計上できます!
(300万円の経費の場合、実効税率約34%を適用するなら、102万円の税金が初年度安くなります)
2だと、1,000万円×7%=70万円の税金が初年度安くなります!
上記だけみると、1を選択しがちですが、1は1,000万円の経費を早めに経費にしているだけで、経費の計上額の合計は
変わらないのですが、2は1,000万円の経費が計上できることに加え、70万円の税金が安くなるため、
トータルで考えると2をお勧めします。
(1を選んで、初年度の税金を安くし、その浮いた分で投資に回し、2を選択する以上の効果を生ませる!という選択もありです)
対象事業ってなんの事業をしていればいいの?
さて、効果をみたところで、細かい要件を確認してみましょう。
まず、対象事業です。
卸売業、小売業、不動産業、サービス業等々、他にも色々な種類で農業や林業も該当するので、多くの方が使えると思います。
アドバイス機関って誰のことをいうの?
認定経営革新等支援機関等や商工会や商工会議所など、公に認められた機関をアドバイス機関といいます。
認定経営革新等支援機関等っていうのは、中小企業庁が決めた専門性の高いコンサルティングができる事業者のことをいい、
例えば、税理士や公認会計士、コンサルティング会社などが該当します。
(もちろん、私が所属している税理士法人もこの認定を受けていますが、昔ながらの税理士は認定をとっていないことも
多いですが、若い税理士の方は積極的に認定を受けていることもあります。
HPで謳っている場合もありますが、一度、顧問税理士に聞いてみましょう。)
顧問税理士が認定経営革新等支援機関等になっているならば、アドバイスは会うタイミング(話すとき)に
必ずあるので大丈夫です。
経営改善設備ってどんな設備なの?
建物附属設備で1台の取得価額が60万円以上のもの、器具及び備品で1台又は1基の取得価額が30万円以上のものをいいます。
(中古品や自社で使用せず、貸し付けるものを除きます)
建物付属設備は冷暖房設備や電気設備等なので、そんなに対象となるものに投資するケースは少ないですが、
備品はPCでもいいですし、コピー機でもいいですし、家具でも良いので、意外と対象となるものが多いと思います。
注意することはないの?
経営者の方が注意することは大きく下記3点です。
1、期限があります。
平成31年3月31日までに経営改善設備を取得し使用ください。
(期限は延びる場合がありますが、確約はできません。)
2、建設業、製造業、お医者様は適用できません。
実は建設業、製造業、医療業って対象ではないんです。
特に医療のお客様は最初に設備投資を大きく行いますし、追加で設備を導入する場合も設備は高いので、これが対象になるとよかったんですけれどね。。。
3、経営改善の書類が必要です。
アドバイス機関からのアドバイスを受けた旨を明らかにする書類の写しが必要となります。
といっても、そんなに難しい書類ではないです。
なぜその設備を導入したか、その導入した効果を簡単に記載します。
まとめ
税金が安くなる制度は税理士任せにすることも多いと思いますが、使えるのに使われていないこともあります。
税理士が知らないケースもありますし、知っていても面倒だから使わないってとんでもないケースもあります。
このブログを読んでいる方は是非自社が適用できるか、税理士に一度聞いてみましょう。
記事を最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
ブログランキングに参加しています。