銀行格付けの改善策 いかに持たない経営を行うか 〜簿外資産のススメ〜

銀行の格付けってご存知ですか?

 

聞いたことはあるよ!

という人もいれば

なんですか、それは?

という人もいます。

 

でも格付けを詳しく知っていて自分の会社もそれを意識して経営し、決算書まで作っている、というところは少ないです。

この格付けを知っていると銀行があなたの会社をどう判断しているのかがわかるのでお金を多く借りれたり、金利も下がって毎月の負担も減ることも。

 

 

目次

銀行格付けとはなにか

そもそも格付けとは銀行それぞれで決めているものでA銀行で決まっているあなたの会社の格付けがB銀行でも一緒、ということはありません。

それぞれの銀行ごとにあなたの会社の経営状況、業績などを審査して、お金を貸しても良い会社なのかを分類しているのです。

銀行ごとに決めている格付けなので、表現の仕方もまちまち。

A銀行では良い格付けの会社からS、A、B、Cとアルファベットで表現しているところもありますし、B銀行では1、2、3、4と数字で表現しているところもあります。

格付けによりどこまでの金額を貸せるのか、金利をどうするのか、というのが決まるので、良い会社ほど金額、金利ともに優遇、悪い会社ほど金額、金利も悪化するということになります。

 

まあ営業上、他の銀行が戦略的に低い金利を出してきてしまったら、そこに対抗しなければならないため格付けに見合わない金利設定もありえます。

でもそれだけでは銀行内部の審査が通らないので、入金口座にしてもらいます! 外国送金手数料をとります! などといった他の手数料で金利が下がる分のカバーをする努力をするのです。色々と他で収益をとります!とこねくり回してお金を貸すための稟議書を書きます笑

(銀行同士を競合させるというのは格付けを超えて金利を下げることもできるので複数の銀行と取引するメリットもここにもでてきますね。)

 

基本的には格付けが良ければ良いほど損はありません。格付けは銀行側のお話ですがあなたの会社経営に直接影響をあたえます。

では格付けはどうつけられているのか。

大部分は過去の業績、過去の決算書の情報で機械的に判断されています。(とくにメガバンクなど大きな銀行ほどその傾向は強いです。なので最初付き合う銀行としては地域密着の銀行の方が借り入れが進みやすい!)

 

あなたが将来こうなります! こんなに市場がひらけているので売上がこれだけあがる予定なんです!

と意気込んでも過去をベースにされてしまうのです。

判断される項目は売上、利益の増加といったわかりやすいものもありますが、総資本経常利益率(ROA)や売上債権回転期間、債務償還年数などなんだか難しいものも。。。

すべて覚えて自分の経営に活かす!というのは面倒だと思いますのでこういった方向で経営していくと格付けがあがりやすいですよ!ということをお伝えします。

 

いかに持たない経営を行うか

じつは「持たない経営」というのが格付けが改善しやすいです。

え? 土地や建物などの本社をどーんと構えて立派な信用できる会社です!という見た目も大切にした方がいいんじゃないの?

と思われるかもしれませんが違います。

 

持たない経営が良いです。

で、その持たないってなにを持たないのか。

 

それは資産を持たないということ。

格付けがとても良い会社の決算書を銀行時代見てきました。

その中で多くの会社があてはまるのがとてもシンプルの決算書です。

貸借対照表という現預金などの資産が書いている書類がごちゃごちゃしていないのです。

貸借対照表はシンプルでいて、損益計算書という売上、利益が書いてある書類をみるとちゃんと売上、利益が計上されている。

これが格付けを良くさせます。

 

なぜかというと、少ない資産で多くの売上、利益をあげている、効率の良い経営をしている、と判断されるからです。

もちろん格付けを改善させる要因はほかにも様々ですが、効率が良い経営というのもひとつの大きなポイント。

(もっともシンプルな決算書は持ち株会社でした。グループ会社の株だけ資産に計上されていて、利益はそのグループ会社の配当金というもの。え?これだけ? という会社なのにとても良い格付け。 株だけの利益っていうと効率は良いですよね)

 

簿外資産をもつ

いやいやいや、資産を持たないと経営できないんじゃないの?

うちの会社は自動車や機械を持たないと経営なんてできないよ! 売上、利益をあげられないよ!

と思うかもしれません。

 

 

でもここでの資産を持たないというのは目の前にある資産を持たないということではありません。

あなたの会社にあてはめるならば、ここでの資産を持たないというのは決算書で資産を持たないということ。

 

つまり会社として経営資源である人、車両、機械などを持ちつつも決算書にのらない簿外資産を持つことなんです。

(簿外負債ではないです。簿外資産です。簿外負債は決算書にのらないリスクでありそれは極力排除していきましょうね。)

 

簿外資産はあればあるだけうれしいもの。

 

わかりやすい簿外資産の一例としては自動車や機械などの資産です。

金額が大きな資産である自動車や機械などを買うと決算書にはそれらの資産を持っているという表示をします。

しかし年数がたっているけれど十分使える資産を買ったり、新品でもいっきに経費化できるもの(特別償却といいます)を買ったりしたならば決算書に資産として表示しなくても良くなります。(新品やいっきに経費化できなくても買ってから時間がたてば減価償却という方法で5年や10年かけてゆっくり資産として表示する金額を少なくすることも)

そうすると自動車や機械などは決算書には表示されていないけれど、あなたの会社として経営資源として使える資産=簿外資産となるのです。

 

この簿外資産がおおくある会社は強いです。

決算書には資産として表示されていないのにどんどん売上、利益を産んでくれます。効率が良い経営ができている、という評価も銀行に与えることもできます。

またちょっと業績が今年は悪くなり利益が出なさそうだな、、、と思えば、その簿外資産を売ることにより一気に利益が出るのです。(原価は経費になっているのでほぼゼロです)

私の知っている自動車の販売、リースを行なっている会社はそういった簿外資産が多くあり、十分な利益があります。ふだんはリースで自社の自動車をまわし、状況をみて自動車を販売を行います。

自動車の販売もやっているのでその利益は特別利益ではなく、売上となるので、粗利、営業利益、経常利益も良くなります。

そうすると銀行も安心するので多くの金額をとても安い金利で借り入れることができ、さらにその借り入れで車両を買い、簿外資産をどんどん作っていくという好循環が生まれることに。

 

人も簿外資産でしょう。

教育費をかければかけるほど売上、利益を増やしてくれる人材になる。自分で稼げる人材に育てあげることにより会社にとってなくてはならない人材とするのです。

教育費は売上、利益に貢献する!という感覚はMGで学べます。その感覚を味わって見てたい人はぜひ。

社員教育としてMG(マネジメントゲーム)をこういう意図で利用してみると良い

 

自分で稼げる人材は流動性が高くあなたの会社に魅力がなければすぐに違う会社へ行ってしまいます。いかにあなたの会社を魅力的にするのか、またその魅力をうまく伝えることも重要になります。

あなたの会社の社員をひきつけるための魅力はなんでしょうか。

 

 

【編集後記】

昨日は赤羽で花火会をやっていたので見に行きました。

日中は雨足が強くなり大丈夫かな、、、と思っていたのですが花火会中はなんとか小雨に。昨年も雨だったような、、、笑

日中の雨の中、駅前で花火会の有料チケットを販売してましたがこの天気では買う人が少なそうで大変そうでした。

やはり天気というものはコントロールできないものですがとてもビジネスに影響を与えるものなんですね。

 

【10月のセミナー情報】

格付けを改善するためにはどうしたら良いのだろうか、という実践的なものから、どうやったら融資を受けることができるのだろうか、という初心者の方まで成功事例、失敗事例も含めてお伝えします。

銀行からの借り入れの主導権をあなたが握りましょう!

 

お金に対しての漠然とした不安から解消されて本業に全力投球したい!

社長と社員の立場の違いによる危機感のズレから解消されて社員一丸となってビジョンを実現したい!

税理士から試算表を毎月もらって説明を受けているがなにをいっているのかわからないので試算表をどうにかうまく活用したい!

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ひとつの図を書くだけでわかるようになります。 ほんとうに? というひとほど参加してもらいたい内容です。