外注費を給与だ!といわれないための注意すべき4つのポイント

先日ご相談いただいたクライアントと話していたのですが簡単に外注費って使っているな、、、と感じました。

とくに親族や身近なひとがちょっと手伝ってくれたから外注費としてお金をはらうということをしているひとがいました。(アルバイト代や給料とはせずに)

外注費は使いやすいものかもしれませんが取り扱いを気をつけなければ大変なことになります。

そこで今回は外注費として払っているときに給与だと指摘されないように注意すべき点をお伝えします。(今回は外注費として個人へ払うときに注意することです。会社へ払うときのお話ではありません。)

 

 

目次

外注費になぜしたがるのか

まずあなたが外注費をあまりつかわないと不思議に思うかもしれません。

なぜ外注費にしたがるひとがいるのだろうと。

それは外注費としたほうが給料するよりも税金上有利なことが多いからです。

有利とかんがえられるのはつぎの3つです。

 

消費税が安くなる

外注費で払うことになると消費税をふくめて払うことになります。

たとえば外注費を10,000円として払ったばあい、消費税をふくめて払うことになるので9,259円は外注費、残りの741円(10,000円ー9,259円)は消費税を払ったことになるため国に払う消費税が741円安くなるのです。

(外注費としてもらったひとが消費税を払うくらい人であれば消費税をあなたの代わりに払うことになります。)

これが給料10,000円として払ったばあい、給料には消費税がふくまれないので10,000円給料として払って終わりです。

(税金のことでちょっと小難しいはなしをすると、外注費だと消費税が741円やすくなりますが、9,259円しか外注費として経費がつかず給料のほうが10,000円まるまる経費になるんです。

外注費と給料の経費差額である741円にたいする法人税は給与の方が実は222円(30%と仮定)お得です。でも741円-222円=519円は税金の総支払額としては外注費の方がお得になります。

法人税と消費税が絡み合うとちょっと面倒ですよね。。。)

消費税は赤字の会社でも払わなければいけないこともあり、かつ預かっているものだから払えるだろうと国の取り立ても厳しくなっています。

消費税が安くなるのは会社として嬉しいものです。

 

所得税を基本的に天引きしなくてよい

外注費は基本的に所得税(源泉所得税)を天引きしなくても大丈夫です。

でも給料はある一定の金額を払うときは所得税天引きしなくてはなりません。

天引きは面倒ですよね、国にあとで天引きした所得税を払う必要もあります。この面倒なのがないのが外注費なんです。

(「基本的に」と書いてるのが税理士などの士業であったり、デザイナーであったり、ある特定の仕事をするひとに外注費を払うときは所得税を天引きしなければならないです。)

ちなみに源泉所得税というのは給料などのお金をもらう人に代わって給料を払うあなたが所得税を国に払う制度になります。

もちろんあなたが代わりに払うだけであなたが所得税を負担する必要はありません。もらう人の給料から払えばいいのです。額面と手取りって聞いたことがありますよね? その額面と手取りの差が源泉所得税でもあります。

 

社会保険にはいらなくてよい

これも大きなメリットでしょう。

会社は社長ひとりであっても社会保険(厚生年金、健康保険)にはいらなければいけません。

でも外注費はあなたが雇っているわけではないので外注の人をいくらかかえていようと社会保険に入る必要はないんです。

社会保険は給料額面に対して約14%ずつ、雇う側と雇われる側が負担します。20万円に給料の人では毎月お互い28,000円ずつ余計に負担します。 国民健康保険、国民年金に比べると高いことが多いです。

給料ならば正社員の3/4以上働いている人(週30時間など)はパートであってもアルバイトであっても社会保険に加入する必要があります。しかしそこまで働いていないなら加入する必要はないです。うまくシフトがくめれば加入しなくても大丈夫。

 

外注費と給与ってどうちがうのか

さて外注費と給与ってそもそもどう違うのでしょうか。 名前を外注費として払えば外注費になるのか? そんなわけはありません。

外注費は「成果」にたいしてお金を払います。

給料は「時間」にたいしてお金を払います。

たとえば、

エレベーターが壊れました。それを修理してくれ! と仕事をお願いします。

そして

1日かけてA君はエレベーターを直そうと頑張りました。

でも直りませんでした。。。

A君はあなたに「テヘッ、直せませんでした」といってきました。

直っていないなら払わないよ!とつきかえせるのが外注費

直せなかったA君にでもお金を払わなければいけないのが給料

です。

エレベーターを直してという依頼をして直せないとなると成果があがっていません。外注費はその成果にお金を払うのです。

いっぽうエレベーターを直してという依頼のためにA君の時間を1日拘束しました。その拘束した時間にたいしてお金を払うのが給料です。直っていようが、直っていまいが関係ないのです。(ボーナスには影響がありそうですね!笑)

 

ちなみに40万円毎月外注費を払っている人が給与だ!といわれたら

消費税     約月3万円✖︎12ヶ月=36万円

源泉所得税   約月1.6万円✖︎12ヶ月=19万円

社会保険    40万円✖︎28%✖︎12ヶ月=134万円(給料払う人、もらう人合算)

とたった一人でこんなに払わなければならないのです。これが10人も同じような人がいると、、、 恐ろしい金額なのでとても注意が必要です!

(ここでは法人税を考慮外にしています)

 

給料といわれないためにはこうする

では外注費と給料の違いをふくめて給料といわれないようにするためにどういったことを注意すべきでしょうか。

つぎの5つのポイントに気をつけるべきです。

(しかし5つのポイントがすべて達成していなければ絶対給料!というわけではないですし、逆に絶対外注費!というわけではないです。ひとつでも多くのポイントを気をつけることにより外注費としていえるようになります。)

 

請求書を作り、支払いは通帳を通すか、現金ならば領収書をもらう

形式的なことも重要になります。

その中で代表的なのは請求書です。

通常外注の人に仕事を頼むと請求書が出てきます(出てこなく継続的な仕事ならば契約書) 面倒だから請求書を作らない!となるとこの外注の人だけはおかしい、普通の外注と違うのではないか、と疑われてしまいます。

ほかの外注の人と同じように請求書などの体裁をととのえる必要があります。

またそのさいの請求書の中身も重要。

というのも、さきほど外注費と給料の違いは、成果か時間かと書きました。それを請求書にも明確にわけて反映しなければなりません。

たとえば請求書の内容で「◯時から◯時まで作業」だったり、「8時間」だったり、「残業代」だったり、「1人工」だったりと時間をおもわせるような表記をしていませんか?

特に「人工」は建設業なんかに多いです。「人工」は「にんく」と呼び、8時間(まる1日作業)という意味です。 2人をまる1日工事現場に派遣したら「2人工」と書きます。

人工はまさに時間で人を派遣しているという証拠になります。

請求書は大事ですがその請求書に時間をおもわせるような表記をしてしまうと、わざわざ記録に給料ですよ!と残しているようなもの。

外注の人が「人工」と書いてくるようなら「◯◯工事 一式」など一式という単位にして請求書を作り変えてください。 一式の中身が実際は「人工」をベースにして外注の人が計算してもいいですが請求書に記録を残さないでください。

道具を自分で用意させる

外注の人は自分で自分の道具を用意します。

ドライバーなどの工具、PC、作業服、材料などなどです。

これをあなたの会社が用意してどうぞ好きに使ってください、というのだと給料を払っている社員と変わらないため、社員と外注の人、なにが違うの?となってしまいます。

もしあなたの会社が用意しなければならないのなら外注の人にその費用は負担させるようにしてください。

やり方は簡単。請求書に作業服負担分や材料費などといった項目をつくり払う外注費からひけばいいのです。

会社が作業服などを立て替えてお金を払っていて、あとで外注費を払うタイミングで精算する、というイメージですね。

指揮命令系統にはいれない(名刺や作業表も別)

簡単にいうとあなたの会社の組織図に外注の人の名前を書かないでくださいね!ということです。

外注の人は別組織の人で、あなたの会社の社員ではありません。

あなたの会社の組織図にいれてしまうと社長であるあなたが上司となってしまいます。

もちろん名刺もあなたの会社の名刺は持たせないようにしましょう。あなたの会社の人ではありません。

また作業表、シフト表などを作っている会社も注意が必要です。あなたの会社の社員と同じ作業表、ソフト表などに外注の人の名前を書かないようにしてください。社員と同一にしないことが大切。作業表などが必要ならば社員とは別の表を作りましょう。

 確定申告させる

忘れやすいですがこれもとても大切です。

外注の人には確定申告をさせましょう。

というのも確定申告させることにより、その外注の人は自分が給料ではなく個人事業主として関わっているということを意識させることができます。

また税務調査があったときに確定申告をしているかどうかの反面調査が行われることもあります。そのときに確定申告をしていない、ということがわかったらあなたは外注費だと思っていてもお金をもらっている方は給料だと思っている、といわれてしまうかもしれません。

え? 確定申告まで面倒みなくちゃいけないの? めんどう、、、と感じるかも。

でもあなたの会社を守るためなのでしっかり確定申告をしているかチェックをしましょう。

ただ確定申告をしているかが大切なので中身があっているかどうかなどは確認しなくて大丈夫。そこまではめんどうみなくても良いです。確定申告しているかが重要。

確認するのは確定申告書に税務署の印鑑が押しているかだけでOKです!(確定申告やった? って聞いて、やった!と答える人でもやっていないことも。人によってはちゃんと目で確認することも。)

確定申告書をやって! といってなかなかやってくれないひとは外注として使わない、ということも考えるべきです。 リスクは外注の人だけではなく、あなたにもきますよ!

自分の会社は自分で守りましょう!

 

【今日の気づき】

さまざまな問題のきっかけはコミュニケーション不足ということが多いです。

相手に伝えると相手が不安に覚えるから伝えるのをやめておこう、など相手のことを思ったことであってもそれが裏目にでることも。

その不安に思うことも含めて相手とちゃんと話し合うことでお互い納得してこんごのコミュニケーションがよくなることも多いです。

IT化、AI化が進んでもこのコミュニケーションは残っていきます。これからもより一層勉強しなければならないところですね。

 

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