税務調査対策のコツ!きっちり細かいところまで整えておくべし。ここまで調べられちゃいますよ。

税務調査はいつ入るかわかりません。

税理士業界では繁忙期にもかかわらず僕のお客様にも現在税務調査がはいっており

ついつい時間がとられてしまいます。

(一説には税務職員がこの時期税務署内にいると確定申告の手伝いをさせられるため

税務調査として外出することが増えるとか言われていたりもします)

税務調査が入ってから慌てるよりいつ入ってもいいように体制や書類などを整えておく必要があります。

その整えておく体制や書類はしっかり整えておかなければ税務調査で問題になることも。

 

目次

細かいところまで整えておくことの重要性

税務調査に入られたらわかりますがこんなに細かく調べるのかということがあります。

しかしどこまで細かく調査するかどうかは会社の規模、業種、税務職員の裁量などで変わってきます。

(通常会社の税務調査は2、3日ですが僕が携わった税務調査で最短で終わったのはなんと2時間です!笑 予定では2日でしたが印紙税を1,000円くらい指摘され終わりましたよ。)

あまり細かく調べないラッキーな税務調査にあたればいいですが細かい税務調査にあたると

指摘がいっぱいされる可能性が高いです。指摘はひとつひとつ打ち返せば良いのですが数が多いとそれはそれで面倒です。

だから細かい税務調査にあたらないように毎回神様に祈る!というのは微妙かと。。。

 

だとすると税務調査にそなえてちゃんと体制や書類などを整えておくべきなのです。

 

ちゃんと体制や書類などを整えるということとは

さてではどのくらいちゃんと体制や書類などを整えなければならないのでしょうか。

またどこまで細かく税務調査ってされるんでしょうか。

 

まずどういった税務調査の指摘がかんがえられどのくらい整えるべきなのか僕が実際にあった税務調査の事例で見てみましょう。

ある会社(A社としておきましょう)は利益がとても出ていました。

A社は節税対策を求めていたので決算賞与を提案!

この決算賞与の節税策は決算日までに賞与を実際に支払わなくても条件次第で賞与を経費として計上できるというものです。

つうじょう節税対策というものは決算日まえに行う必要があるものが大半。

たとえばものを買うのは決算日まえでなければ経費になりませんし、保険に入るとしても決算日まえでなければなりません。

しかし提案した決算賞与については実際に決算日までに払わなくても経費になるのでとても使いやすい節税対策なのです。

この決算賞与の条件のなかに「決算日まえに賞与を受け取る人全員にそれぞれの支給額をそれぞれに伝える」というものがあります。

決算日をすぎて利益がすごく出たらかといって会社が勝手に賞与の金額を決めて経費にしてはならないということですね。

もちろんA社の社長にはちゃんと全員に伝えるという条件を満たしてくださいねということをお伝えしていました。

そこで税務調査がA社に入ったのです!

その決算賞与でいろいろな指摘がありましたがそのなかで一番大きかったのはこの「伝える」ということをしていたかしていないかということ。

税務職員いわくその賞与を伝えたという記録がないということです。

この記録がないということで問答がつづきました。

A社の決算賞与の伝え方の流れは、社長が賞与を決めその賞与を社長から各部課長へ伝える。
そしてその部課長から各部下へ個別に伝えるというものでした。

社長が各部課長へ賞与を伝えた会議の日はありますがその会議の議事録がありませんでした。
(A社は会議の議事録を毎回かならず作成しているわけではありません)

また各部課長から各部下へ伝えた記録もないのです。
(その伝え方も各部課長ごとに個別会議で口頭であったり、電話だったりメールだったりとさまざまでした)

伝えたという決定的な証拠がない限り税務職員はそこを指摘し認めたくないのです。

というものもこの決算賞与を経費として認めない!とすれば決算賞与分の税金をまえだおしにとることができ、かつ延滞税なども数十万円余計に払わせることができるのです。もちろん税務職員としても自分の点数があがり出世にもかかわります。

過去のことなので記録をあとから作るわけにもいきません。

けっきょくは押し問答を何回も行い、かつ別の決算賞与の論点で攻め込みなんとか決算賞与は認められましたがとてもあせりました。

この伝えるという社内体制をつくって、かつ伝えたという書類やメールなど証拠を残しておくという重要性を再度考えさせられました。ちゃんと一から十までいっかんした証拠が必要になります。

 

また細かい税務調査ということではこんなこともありました。

節税対策のひとつで社長の両親を非常勤役員として登記して非常勤役員の給与を払うということがあります。

その両親が年金暮らしでアルバイトをしていないとき、ひとり最低でも月5万円、最高だと月8万円くらいの給与を会社として払っても、もらう両親としては所得税を払わなくても大丈夫という節税策。もちろん会社として給与を払うので会社の経費になるのです。そうすると会社としてひとり最高月8万円×4人(配偶者の両親含む)×12ヶ月=384万円の経費がつき会社の税金が110万円も安くなります(税率30%)。

ここで問題になるのは社長と両親が離れて暮らしているときです。

たとえば社長は東京、両親が鹿児島で暮らしているとします。

会社とし両親に給与を払っていましたがその両親の口座にある給与の引き出しを社長が東京の自宅近くでしていたのです。ふつう両親に給与を払ったならばその両親の生活圏内である鹿児島で引き出せれるはず。それが東京で社長が引き出していたならばたとえ引き出したあとに両親に手渡ししたからといって両親の名前を借りた社長への給料だと疑われてしまうのです。

じつはこの社長が東京の自宅で引き出していたという事実は税務職員が銀行までいってATMの使用記録、ATMの防犯カメラを調べにいき発覚したのです。(銀行ではどこのATMでいくら引き出したかというものがわかります)

いちど疑われたらとことん詳しく税務職員は調べてくるのです。

なので体制や書類などを整えることは非常に重要なんです。

 

やらせきるのも実力のうち(税理士側のはなし)

きっちりつめて体制や書類をととのえないとリスクがあることをお伝えしました。

でも体制や書類などを整えることをしていないというのは社長のせいだけではありません。
それを整えないことによるリスクを社長に伝えきれていない税理士などの専門家のせいでもあります。

うちの事務所にもいますが整えていないのは社長のせいであると決めつけている人もいます。
どうしても整えてくれない社長もいるかもしれません。でも整えさせる努力はどこまでやったのでしょうか。 口頭で伝えただけ? 書類では説明していない? リスクを分かりやすく伝えているか? たとえばなしをつかってよりリスクを感じさせるようにしているの? かんたんに整えられるようにチェックリストを渡したりしている? などなど自分の行動を振り返ってみましょう。そして社長ができていないと考えるのではなくまず最初に自分ができていないと考える考え方をもつことをオススメします。

 

【編集後記】

今日はお休みをとって都内にあそびにいきました。

平日休みだといろいろなところが空いていていいですね。ときの流れもゆっくり進んでいる気がします。

周りと違った動きをするということはふだんできないことをできるチャンスでもあります。

これからもいろいろなことにチャレンジしていきます!