人材

人を雇えるかどうかは『粗利-経費』で確認しましょう

お客様と打ち合わせをしてよくある質問のひとつに人を雇いたいんですけれどどうですか?

というものがあります。

 

ひとりで会社をつくってがむしゃらに働いて売り上げは稼げるようになった。

さらに会社を大きくするためには人を増やして自分のとってきた仕事をやってもらいたい

と考える人がこの売り上げと利益で雇えるか悩みます。

 

人を雇っても

会社が回るかどうか

成長していくかどうか

はいかにお金を残せるかによります。

 

人を雇う

売り上げではなく残るお金で判断

会社にお金が残っていくかは売り上げではなく

売り上げからその売り上げを産み出すためにかかった経費をひいた金額しだいです。 

どんなに売り上げをあげたとしても会社にお金が残らなければ

会社の資金繰りは回らなくなりつぶれてしまいます。

 

会社に残るお金はどうやって計算するのでしょうか。

 

順番としては売り上げから原価を引いて粗利が計算されます。

その粗利から給与や交通費などの経費を引くことにより残るお金がわかります。

ここで大切なのは人をひとり雇ったら売り上げがいくらあがるから雇うのではなく

その人がその売り上げからいくらの粗利をかせぎ、その粗利がその人を雇うことにより

増える経費をまかなえるかどうかなのです。

いくら売り上げがあがったとしてもちゃんと粗利をとらなければ

忙しいけれどお金が残っていないという状況になってしまいます。

 

また人をひとり雇うことにより増える経費は給料だけではありません。

実は給与だけではなく社会保険料や交通費なども増えるため給与額面の1.3倍以上

(または多いときは、1.5倍程度)も増えるです。

実際に試算してみたのでこちらを参照してみてください。

人ひとり雇うと思った分の1.3倍のコストがかかることを意識して雇う!

 

この増えるコストを粗利でまかなうことができなければ人を雇ってしまったら

資金繰りが回らなくなるのです。

 

事務員を雇うと粗利をもっと稼ぐ必要がある

営業マンではなく事務員を雇った場合、営業マンを雇うより資金繰りを気にしなければなりません。

というのも事務員をひとり雇っても売り上げが増えるわけではなく経費だけがかかってしまうのです。

その増える経費をいかにカバーするか考える必要があります。

 

ひとつのカバーする方法として事務員を雇ったことにより社長であるあなたがやっていた事務を

事務員がやることによりあなたの時間が空きます。

その空いた分、売り上げをあげその増える経費をカバーするのです。

 

というものふつうは社長であるあなたの時給が一番会社では高いはずです。

事務員を雇うならあなた以外でもできることはできる限り事務員にやってもらい、

あなたしかできないことに注力しましょう。

自分の仕事の棚卸しをしてみると、あなた以外でもできることってけっこうあります。

それがなくなるだけで社長の時間は有効に使えます。そのために事務員(または秘書)を雇うのです。

 

僕も今仕事をサポートしてくれる人がいます。

郵便といった作業はもとよりアポイントの調整、簡単な資料作成など

いろいろとお願いしてちゃんと仕上がってくるので本当に助かっています。

こういった作業は自分がやったしても事務員の作業スピードと同じスピードであり効率的ではありません。

(事務員より早いスピードだったとしても事務員との時給の差以上のスピードはだせません)

 

ならばその作業はお願いして自分でなければできない

仕事に注力していくのが良いでしょう。

 

労働分配率という考え方

人は雇うけれど最初は苦しいからできる限り人件費を下げたいという考えがあるかもしれません。

しかしそうすると人を雇うことができません。

会社が売り上げをあげてそこから残る粗利に見合う人件費を払う必要があります。

 

ではあなたの会社の粗利に見合う人件費っていくらなんでしょうか。

じつはその人件費の割合をみる指標があります。

その指標というのは「労働分配率」といって会社の財務状況を分析するもののひとつです。

 

この指標を簡単にいうと

会社が生み出した価値である粗利のうち人にかかる経費である人件費の占める割合をあらわすものになります。

この割合が高すぎると人に対してお金をかけすぎており

逆に低すぎると人に対してお金をかけてなさすぎるということです。

会社が生み出した価値の多くが人によっているサービス業などはこの割合が高く

会社が生み出した価値の多くが人以外の機械などによっている製造業などはこの割合が低くなります。

たとえばサービス業であれば労働分配率は70%、製造業であれば48%です。
(H27年度、経済産業省調査)

 

業種平均というのはひとつの指標として大切なもの。

あなたの会社が人に払っている経費が周りと比較してどうなのかは把握しておきましょう。

 

人に投資する

人を雇うということは会社が成長するための投資という側面もあります。

「粗利ー経費」で資金繰りが回るかは確認したいですが

経費の方が大きくても人を雇う場合があります。

 

そのさいたるものとしては新卒採用です。

新卒は即戦力ではなく数年は粗利<経費となります。

僕が以前いた銀行は大量に新卒を雇い教育費として経費を払いつづけています。

数年間たってようやく一人前に成長してから回収期に入ります。

そしてその人が会社に勤めて退職するまで通して粗利>経費となれば良いという考え方なのです。

(僕は回収期になるくらいで退職してしまったので銀行としてはさいあく、、、と思っていますね苦笑)

 

会社を大きくするため粗利<経費となるけれど人を雇う。

その間の資金繰りは今までの利益や借り入れでまかなうといった判断も時に経営者として必要になります。

 

【編集後記】

人を雇う、部下をもつというのはとても難しいものです。

その人の人生を左右してしまうかもしれません。

 

人に接するとき機械と違ってこれが絶対に正しいというものはなく

日々試行錯誤です。

 

何事も経験、すくなくとも2度と同じ間違えないように1歩1歩着実に前に進んでいきます!

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