【徹底比較!】クラウド会計を利用した借入方法まとめ(freee×MFクラウド会計)

 

急にお金が必要! 資金繰り表を見ていて1か月後の決済資金がない!と焦ったことありませんか?

大きな受注が入ったけれど、それを用意するお金がなくてどうしよう。。。といった嬉しいけれど悲しい状況ってありますよね。

 

借り入れをどうしようと思っているそんな中、Fintec(フィンテック)の波が、クラウド会計×借り入れの組み合わせでもありました。
(※Fintec=「finance(ファイナンス)」と「technology(テクノロジー)」を掛け合わせた造語であり、簡単に言うと、金融とIT技術を用いて、新しいサービスを提供していこうというもの)

 

今回は、元銀行員税理士の目線で、クラウド会計(会計ソフトfreeeとMFクラウド会計)を利用した借り入れ徹底比較していきたいと思います!
(会計ソフトfreeeはfreee株式会社、MFクラウド会計は株式会社マネーフォワードが提供しています。)

 

 

目次

利便性

まずはクラウド会計で借り入れができることを知らない人も多いと思いますので、
導入の分かりやすさであったり、利用しやすさの利便性から検証していきたいと思います。

freee

実はfreeeを利用して借り入れはできるのですが、会計ソフトであるfreee内で1か所に情報をまとめているわけではありません。

銀行との協業という形となっており、銀行の借り入れを申し込む際に、freeeのデータを銀行に提出してくれれば、金利を下げたり、借入の審査を早くしますよ、という優遇を受けられるというものです。
(クラウド会計専用の借入商品ではなく、既にある商品に特典(金利を優遇等)を付与するイメージです。)

なので、freeeを利用して借入をしたい場合は、借入をしたい銀行に問い合わせるか、
freeeのHPにあるプレスリリースをひとつひとつ見ていくしかないです。。。(freeeのHPには一覧表はありません。。。)

プレスリリース例:freeeが横浜銀行と協業。

 

これは結構手間です。

現実的にはfreeeが先にある話ではなく、借りようとしていた銀行がたまたまfreeeの協業していて
借入商品を作っている場合に利用できるでしょう。

 

ちなみに横浜銀行で借りるとすると、

「融資を希望する事業者は、横浜銀行の融資仮審査申し込みのWEBページで情報を記入のうえ、freeeから横浜銀行のアカウントを招待します。」

ということなので、webで仮審査申し込みができます。

仮審査申し込みということは本審査申し込みがあり、その本審査申し込みにはwebではなく、窓口、郵送等の手間があります。

 

MFクラウド会計

こちらはマネーフォワードのHPに専用のページを作成しているのもあり、非常に分かりやすいです。
マネーフォワードの方が力を入れていることが分かります。
MFクラウドファイナンスという形で商品化もしています。)

借入までの流れや特徴、商品ごとの比較も載っているので、利用しやすいです。

freeeと違いマネーフォワードの商品として扱っている違いが出ているのしょう。
(マネーフォワードの借入商品であり、それを利用するにはMFクラウド会計を使用してください、という。)

 

実際の申し込み方法としては、webだけで申し込み、審査、契約までできるとの記載があり、手軽に利用できます。
(一部面談や書面での契約が必要な商品があるとのこと。)

 

借入の条件面

この借入の条件面も特に確認しておきたい情報でしょう。わざわざクラウド会計を使った借り入れのメリットがなければ
近くの銀行に融資を申し込んだ方が良いですし。

freee

利用しやすさでも書きましたが、freeeが提供している借入商品はなく、銀行それぞれが借入商品を提供しているため、
それぞれの銀行の条件を見に行かなければなりません。

freeeのプレスリリースを見るに、借入商品を用意しているのは、
「横浜銀行」「鳥取銀行」のみで、それ以外は業務提携ということで、具体的な借入商品を用意していません。

 

なので、ここでは横浜銀行の借入商品を見てましょう。

 

横浜銀行の借入商品は、「〈はまぎん〉スーパービジネスローン」となっています。

無担保で借入額5,000万円以内、元金均等返済で5年以内の借入期間もできるという、オーソドックスな借入商品です。

ただ、金利をみると、固定金利で「年2.45%~(freee利用で▲0.25%)」(平成29年9月1日現在)となっており、
現在の金利環境からいうと若干高めに感じる方もいると思います。

 

MFクラウド会計

こちらで用意している借入商品は以下の3つです。(すべて、無担保、無保証)

1、GMOイプシロン株式会社(借入期間6か月、固定金利年3.5% 〜 13.5%、借入額300万円以内)

2、福岡銀行(借入期間1か月から12か月以内、固定金利年5.0% 〜 12.5%、借入額1,000万円以内)

3、住信SBIネット銀行(借入期間13か月未満、固定金利年0.9% 〜 15.0%、借入額1,000万円以内)

と3つの中では住信SBIネット銀行の条件が良いですね。

 

 

ただ問題点としては2つ。

 

1つ目は、住信SBI銀行の金利水準が年0.9%と圧倒的に低いですが、この金利が本当に出るのか不安です。

 

2つ目は、その他の銀行にも言えるのですが、借入期間が総じて1年くらいで、短期資金としてでしか、借り入れることができない
ことです。緊急で足りなくなったから借りる!ということには向いていますが、長期的に運転資金を借りるということはできないです。

 

並べて比べてみよう!

以上のことを踏まえて分かりやすく比較してみましょう。

※freeeは横浜銀行、MFクラウド会計は住信SBIネット銀行。

会計ソフトfreee MFクラウド会計
利便性
金額

5,000万円以内

1,000万円以内

金利

固定金利年2.45%~

~×

固定金利年0.9% 〜 15.0%

期間

5年以内

13か月未満

クラウド会計を利用して借入をした方が良い人

上の比較を見ると短期資金ですぐに手間なく借りたいという方は、MFクラウド会計です。(金利の幅は気になりますが。。。)

 

会計ソフトfreeeでは、近くに横浜銀行か鳥取銀行がある場合で、かつその銀行に申し込みをするときに、銀行担当者を通してでの普通の借入申し込みと比較してどうか、というところでしょうか。

 

ただ、対象は創業2年目~5年目くらいまでだと感じています。

理由として、創業期である1期目は会計データがほとんど揃っていないため、審査ができない、または審査ができたとしても
十分な情報がないため、金利が高くなる。

また、創業から5年以上経って業績も順調なら銀行側から借り入れの営業がきて、その営業に乗る方が
借入しやすいですし、銀行からの営業なので金利等の条件も交渉しやすいためです。
(でも、ネット専業で銀行とは面倒で会いたくない人、業績が悪い先で銀行の担当もあまり来ないようなら、利用したら
面白いかもしれません。)

 

まとめ

クラウド会計(freeeとMF)を利用している方で、上記のクラウド会計を利用して借り入れをした方が良い人に合致するなら使ってみても良いかもしれません。
fintech時代にもっと借り入れが簡単に事業のすそ野を広げています。

将来的にはクラウド会計で日々の登録を行っていると自動で借入の申し込みができていたり、
お金が足りませんか?というアラームが鳴ったりして、そのまま借入の申し込みって形で利便性があがるかもしれません。

 

ただ、借り入れに得意な税理士が既に顧問としていた場合、その人からの紹介があるならそちら経由の方が、金利面や借りやすさの面では良いと思います。

実際、私はお客様の資金繰りを見ながら、積極的に銀行を紹介しますし、お客様も銀行も
みんなが喜ぶことができますしね。

 

 

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